日本では水道水を飲料水として飲むことができますが、最近はミネラルウォーターなど市販されている水を飲む方も多くなっています。しかしミネラルウォーターと水道水の違いを明確に理解されている方は少ないでしょう。
ミネラルウォーターと水道水にはどのような違いがあるのか、どんな時に利用すると水やミネラルウォーターの特性を活かせるのかなどについて紹介します。
ミネラルウォーターと水道水では「安全基準」が違う
ミネラルウォーターも水道水も同じ水ですが、実は法律に違いがあります。水や食べ物など人が口にするものについては「安全基準」が定められていますが、水道水とミネラルウォーターではこの安全基準を定める法律がそれぞれ異なるのです。
水道水は「水道法」という法律によって、水道水に含まれる細菌類や成分など51項目をすべてクリアしないと水道水として各家庭に届けることができません。ミネラルウォーターの安全基準は水道法ではなく「食品衛生法」という別の法律で定められています。食品衛生法の中でのミネラルウォーターの安全基準チェック項目は41項目、水道法よりも少ないチェック項目です。[注1]
成分の基準値などについても、水道法と比較すると緩やかに設定されています。
[注1] ・食品衛生法(◆昭和22年12月24日法律第233号) 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=78330000&dataType=0&pageNo=1
日本の安全基準は厳格だから水道水もミネラルウォーターも安心して飲める
水道水は水道法で51のチェック項目にクリアが必須となる、片やミネラルウォーターは食品衛生法で41項目をクリアすればいいとなると、ミネラルウォーターは本当に安全なのか?という疑問も出てきます。しかしそこはやはりこうした基準に厳格な日本ですから、たとえミネラルウォーターのチェック項目が水道水より少なくても、安全に飲めることは間違いありません。
水道法に関しても食品衛生法に関しても、安全基準について日本はトップクラスの信頼があります。水道水であってもミネラルウォーターであっても安心して飲める水に変わりないのです。
4種類に分類できるミネラルウォーター類について解説
食品衛生法によって、ミネラルウォーター類は4種類に分類されます。これは、人の手による処理と水本来の成分の割合によって、定められています。
ナチュラルウォーター
決められた水源から汲まれた地下水を基として、沈殿やろ過、加熱殺菌を除いて科学的な処理がなされていない水のことをいいます。ミネラル成分が含まれていないものもあります。
ナチュラルミネラルウォーター
ナチュラルウォーターにミネラル成分が含まれているものを、ナチュラルミネラルウォーターといいます。含まれているミネラル成分は、自然由来(鉱物など)のものに限られています。そのため、巷で天然水と呼ばれているものは、ナチュラルミネラルウォーターだけです。
ミネラルウォーター
人工的に自然由来のミネラル成分を調整した水を、ミネラルウォーターといいます。また、いくつかのナチュラルミネラルウォーターを混ぜ合わせた水のことも、当てはまります。沈殿やろ過、加熱殺菌に加えて、空気の混入やオゾン殺菌といった調整も行われます。
ボトルドウォーター
上記3種の水以外で、人間が飲んでも問題ないものをまとめてボトルドウォーターといいます。もとが水道水でも、飲むために市販されているものは、こちらに含まれます。
水道水・ミネラルウォーターを使い分けすることがポイント!
水道水もミネラルウォーターも日本では安心して飲むことができるということが理解できましたが、それぞれ水の特性があり成分も違うので水道水には水道水の、ミネラルウォーターにはミネラルウォーターのそれぞれの特性にあっている「使い方」があります。ミネラルウォーターには軟水と硬水があり、その特徴を理解し活かすことでよりおいしく飲むことができますし、料理を引き立てる要素にもなります。水道水は塩素などが含まれ雑菌を抑制しているので、その点を理解して利用すると利点の高い活用ができるのです。
塩素など雑菌の繁殖を抑制している水道水は、風邪予防やウイルス感染・雑菌の除去などのため日々行ううがいや手洗いに適していますし、加湿器など利用する際にも水道水をおすすめします。また魚の飼育に関してもミネラルウォーターはミネラル成分が豊富なので、魚に負担をかけることもあり魚の飼育には不向きです。魚を飼育する水槽の水なども水道水が適しています。
ミネラルウォーターは「軟水」と「硬水」で使い分けしよう
水には軟水と硬水がありますが、日本の水道水は軟水です。ミネラルウォーターには軟水・硬水療法があり特性に合わせて使い方を変えるとよりおいしく飲むことができますし、調理などにもうまく活用できます。
軟水と硬水は硬度によって分けられています。世界保健機関「WHO」では水1L当たりのカルシウム・マグネシウム含有量において、これらの成分が120?未満を軟水、120?以上を硬水と分けています。カルシウムやマグネシウムが多い硬水は、口に含むと苦みを感じたり重さを感じることもあります。軟水はマグネシウムやカルシウムの含有量が少ないため、癖のない味ですっきりと飲むことができるのです。
ミネラルウォーターについても同じように軟水と硬水があり、日本で市販されているミネラルウォーターも口当たりがよく飲みやすい軟水が多くなっています。水道水がもともと軟水ということもあり口に慣れている味となるため、ミネラルウォーターも軟水の味を好むのでしょう。
軟水のミネラルウォーターは、ご飯を炊くときに利用するとふっくらとおいしく炊き上がります。コーヒーなど趣向品に関しても味がまろやかになり、特徴を引き出すためコーヒーやお茶などにも向いているといえます。洗濯をする時にも硬水は洗剤の泡立ちが悪く汚れがきれいに落ちません。軟水ならよく泡立ち汚れもしっかり落としふんわりと柔らかく仕上がります。
硬水はイモ類や根菜類の煮物などで利用すると煮崩れしにくくなりますし、肉の煮込み料理も灰汁と臭みをよくとってくれるので、柔らかくおいしく仕上がります。パスタをゆでる時にも塩なしで美味しくゆでることが可能です。またカルシウムやマグネシウムを豊富に含む硬水は美容と健康にも一役買ってくれるのですが、飲みすぎるとおなかを下すこともあり注意が必要です。
なぜミネラルウォーターのほうが水道水より美味しいと感じるのか?
日本の水道水は軟水なのでミネラルウォーターも軟水のほうが人気となっていますが、同じ軟水の水道水とミネラルウォーターを飲んで、「ミネラルウォーターのほうが美味しい」と感じる方が多いです。水道水は塩素によって消毒することが法律によって定められ、水1リットルあたりに0.1?(ppm)以上の塩素が残るように義務付けられているため、地域によっては塩素を強く感じることもあります。これらの味が不快に感じたり、まずいと感じさせることによってミネラルウォーターのほうが美味しいと感じる可能性があります。
ミネラルウォーターも軟水・硬水があり、またナチュラルかナチュラルではないのかという違いがあります。ナチュラルなのかそうではないのかという点も踏まえて利用するミネラルウォーターを比較検討すれば、よりおいしく飲めるミネラルウォーターを選ぶことができるでしょう。
ナチュラルミネラルウォーターのおいしさがよくわかる宣伝水
水道水は塩素によって雑菌して安全に飲めるようにした水ですが、特定水源となる地下水から水をくみ上げ沈殿・ろ過・加熱のいずれかの処理を施し雑菌を抑制した水を「ナチュラルウォーター」といいます。このナチュラルウォーターの中でも、水が長い間地下にある状態でミネラルが溶け込んだ水をろ過・沈殿・加熱のいずれかの方法で雑菌処理をした水が「ナチュラルミネラルウォーター」です。つまり自然の状態で地下に沈殿したミネラルが溶け込んだナチュラルミネラルウォーターは、安全であり無理にミネラルが詰め込まれていないためおいしく飲めるミネラルウォーターと考えられます。
そのナチュラルミネラルウォーターをオリジナルラベルで作ることができる商品に「宣伝水」があります。宣伝水に使用されている水(「阿蘇のメイスイ」)は雑菌成分を処理する方法が非加熱処理なので、自然に含まれたミネラル成分を失うことなく、口当たりのいいおいしい水です。より原水に近い状態のおいしい水を届けたいという思いから加熱殺菌ではなく水の成分を変えることがない紫外線による殺菌を施しています。
加熱殺菌をしていないとなると不安を持つ方もいると思いますが、地下150mからくみ上げた南阿蘇の原水を工場へ送り銀化生誕フィルターによりろ過、さらに特殊セラミックフィルターと0.5ミクロン・0.2ミクロンのマイクロフィルターでろ過している水です。そこに紫外線による殺菌を加えているので安全性も非常に高くクリーンでおいしい水に仕上がっています。料理や水割り、日々のお茶や赤ちゃんのミルク作りにも利用できる安心度の高い水です。常温でもおいしく頂ける水なので日々の暮らしの中に取り入れやすい水といえます。
安全な日本の水はおいしさと利用目的に沿って選ぶ
安全でおいしい水がある日本では何気なく水道水を利用している方も多いのですが、日常的に飲む水に少しこだわってみると料理の味やお米の味にも変化があることに気が付きます。水道水やミネラルウォーターの特性や違いを理解して利用することで、水をもっとおいしく活用できます。これから飲む水はミネラルウォーターにしようかなと思う人や、水道水の塩素が気になる方はミネラルウォーターの種類や商品の違いを確認し利用するといいでしょう。